ちらりちらりと舞う白が、頬を滑り雫となった






     
『 思うこと 』









「馬鹿!!」

そう言って総司は部屋を飛び出した。
途端冷たい風が頬を打つが、そんなことに構ってはいられない。
後ろで自分の名を呼ばれたが、それすら振り切って総司は走り出した。






* * * * * * * * * * * * * * * * *




「やっぱりこの黒にしようかな・・・・」

デパートのショーウインドウに飾られていたセーター。
一目見た時からあの人に似合うだろうなと思っていた。
あの人はよく黒を好んで着ているから、きっとこれなら気に入るだろう。

12月23日。
明日はクリスマスイブ、そしてその後はクリスマスだ。
街にはクリスマスソングが流れ、夜になれば綺麗なイルミネーションがあちこちに見かけられた。
大事そうに胸に買ったばかりのセーターを抱いて、総司は街を歩いていた。
クリスマス間近とあって、どこか心も浮かれてしまう。
何せ、あの人と付き合い始めて最初のクリスマスだから。

あの人、土方さん。
少し無愛想な横顔を思い出して、総司は一人そっと微笑んだ。
明日は仕事も休みを取ってくれたと言っていた。
だから家に来いと、言われたのは一月も前のこと。
そんなに早くから言わなくてもいいのにと笑った総司に、土方が言った台詞といったら。

『お前は予約しとかないと、誰かに取られそうだからな。当日は貸切で頼むぞ?』

切れ長の目を意地悪く細めて言った言葉は、総司の頬を真っ赤に染め上げた。
キザな台詞もこの人が言うと格好良くて、それがどうにも口惜しい。
赤い頬に大きな手が添えられて、次の瞬間には唇が重ねられていて。

そこまで思い出して、総司は路上で赤面した。
(何を・・一人で思い出してるんだろ・・・)
火照った頬に手を当てながら、総司は再び歩き出した。
寒い。
もしかしたら明日か明後日には雪が降るかもしれない。




それとほぼ同時刻。

「ではこちらでよろしいですか?」
店員の言葉に、土方は頷いた。
その手に、綺麗に包装された小さな箱が渡される。
土方はそれを大事そうに鞄にしまい込んだ。

街はクリスマス色一色だ。
右を見ればサンタ、左を見ればツリー。
ケーキ屋に並ぶクリスマスケーキ。
それを横目で見ながら思う。
(ケーキなら買うまでもないか・・・)
自分の恋人の作るケーキが何よりも美味しいことを、土方は知っている。

恋人、沖田総司は今年で大学3年になった。
出逢ったのはもっと前、しかし恋人になったのはつい最近のことだ。
互いに思い続けた時は長かったが、通ずるまでには長く時を要した。
だからこそ恋人になって初めてのクリスマス、土方は今までで一番楽しい時を彼に与えるつもりだった。
仕事は25日まで休みを取った。
明日は総司を家に呼んで、2人で食事をする。
そしてイブの一夜は我が家で過ごし、クリスマスにはどこかへ出かける約束だった。
どこに行きたいと聞いたとき、彼は何の迷いもなくこう言った。

『土方さんとならどこでも・・・』

少し頬を染めてそう言った彼は本当に可愛らしくて。
抱きしめずにはいられなかった。
総司のことを思えば、自然と頬も緩んでしまう。
普段会社では鬼と呼ばれる土方も、彼に見せる笑顔は溶けそうなほどに甘い。

「寒ぃな・・・」
ひゅっと吹き抜けた風に、土方は軽く身震いをした。
この分じゃ今年はホワイトクリスマスかもしれない。






* * * * * * * * * * * * * * * * *



12月24日



「メリークリスマス、っと」

ケーキにデコレーションを施し終え、総司は満足そうに微笑んだ。
机に並ぶ料理もケーキも我ながらなかなかの出来映えだ。
これなら土方も喜んでくれるだろうと、総司はいそいそとケーキを冷蔵庫にしまい込んだ。
「ケーキは明日だもんね・・・」
料理はできた。
プレゼントに買ったセーターはソファーの傍にある。用意は完璧だ。
こうして準備をすっかり終えた総司は、ふぅっと息をついてソファーへ座った。

土方は仕事で、帰りはいつも7時ぐらいだ。
大学から直接土方の家に来た総司は、もう慣れ親しんだ家のテレビをプチっとつける。
つけたチャンネルはクリスマス特集だ。
そこでは近くの広場にある大きなツリーが特集されていた。
「そうだ、明日はここに行きたいなぁ・・・」
土方とこのツリーを見れたら。
総司は幸せそうに微笑んで、ころんとソファーに寝転んだ。






LLLLL・・・LLL・・・




なんの音だろう。
電話みたいな・・・ん、電話?


「電話!?」


総司は、がばっとソファーから飛び起きた。
と同時にずっと鳴っていた電話の呼び出し音が止まる。
「いっけない、寝ちゃった・・・」
慌てて時計を見れば時刻は9時を回っている。
「9時・・・土方さんは・・・?」
部屋は総司が眠る前となんら変わりない。
土方は帰っていないのだ。
何かあったのだろうか。もしかして今の電話は土方だったのか。
総司は幾分不安になって、携帯を見る。
机に置いていた携帯を開くと、着信が5件。
慌てて履歴を見れば全て土方からだった。
「嘘・・全然気付かなかった・・・」
メッセージが入っている。
総司は再生ボタンを押して、携帯を耳にあてた。

『総司か?俺だ。もう家にいるか?すまないんだが、急な会議が入って遅くなる。本当にごめんな。
 なんなら先に食べていてくれ。もう会議が始まるから連絡できないが・・・また終わったら連絡する』

ピーッという電子音が悲しく総司の耳をうった。
やけに緩慢な動作で総司は携帯を耳から降ろす。
「会議・・・仕方ない・・・か」
急な会議など今までにもよくあることだった。
土方は会社でも重要な地位にいるし、今までもドタキャンは少なくなかった。
その度に土方は本当に申し訳なさそうに謝るので、総司も怒ったことはない。
仕事が大変なことも知っていたし、仕方がないとも思っている。
だけど、だけど今日は。
「初めてのクリスマスなのに・・・」
ずっと一緒にいられると言っていたのに。

静かな部屋に、時を刻む針の音だけがやけに大きく響いていた。







吐く息が白い。

千切れそうな寒さの中を、土方は必死に走った。
タクシーで自宅のマンション前まで来、エレベーターを待つのももどかしく階段を駆け上がった。
時刻はもう11時。
まさかこんなに会議が長引くとは思わなかった。
会議の前にも、終わった時にも家に連絡を入れたが、総司は出なかった。
携帯もずっと出ない。
何かあったのだろうか、それとも怒っているのか。
とにかく早く総司の姿が見たくて、土方は6階の自宅まで一気に上り詰めた。

さすがに息が上がって、扉の前で暫し荒い息を吐く。
ぐっと力を込めて、コートのポケットから鍵を取り出し扉を開いた。
そのまま玄関に鞄を放ってリビングへと走る。
リビングには明かりが点いていた。

「総司!?」

かくして最愛の人は、食卓に頭を伏せてくぅくぅと心地よさそうな寝息をたてていた。
テーブルの上にはラップを被せられた豪華な食事の数々が、少しも手を付けられた様子もなく置かれている。
静かな部屋には時計の音と、暖房の音だけが響いていた。
恋人の無事な姿と、余りにあどけない寝顔に、土方は思わずその場で脱力しそうになった。
しかし足に力を込めて、そっと眠る総司に近づく。
「総司・・・おい、総司・・・こんなところで寝たら風邪をひく・・・」
起こすのは可哀想かと思いながらも、早くその笑顔が見たいと、身勝手な心が総司を起こす。
軽く肩をゆすっていると、微かに総司の眉が寄って、やがて瞼がぴくりと動いた。
大きな漆黒の瞳がゆっくりとその姿を現す。
「ん・・・土方・・さん?」
まだ眠りから覚めていないのか、眠そうに目をこすりながら総司は身を起こした。
数度瞬いて、ようやく土方を認識したのか、何処かほっとした表情で微笑んだ。
「おかえり・・・なさい」
まさか笑ってくれるなんて思わなかった土方は、堪らなくなって総司を抱きしめた。
「ごめんな、待たせちまった」
「お仕事ですもん・・・仕方がないですよ・・・」
冷え切った土方の身体を、総司もぎゅっと抱きしめる。
「土方さん・・冷たい・・・」
身を離すと、総司は眉間に皺を寄せて土方を見た。
「悪ぃ、冷たかったか?」
「もう、そうじゃなくて。それじゃ風邪引いちゃいます!」
「大丈夫だ。それより腹減ってるだろう?」
「これだけ待ったんですもん、もう少しぐらいへっちゃらです!お風呂入って下さい!」
「別に風呂入らなくても、お前が暖めてくれりゃそれで・・・」
「土・方・さ・ん!」
可愛い顔で睨まれて、逆らえずに土方は渋々風呂場へ向かった。
こうなればさっさと身体を温めて遅い食事にありつこう。



「もう、荷物放って・・・」
玄関に投げられた土方の鞄を、総司は苦笑しながら手に取った。
それだけ急いでくれたのだと思うと、一人待っていた時もなんでもなく思われる。
しかしふと総司は、鞄が妙に膨らんでいるのに気付いた。
書類でも入っているのだろうか、と首を傾げて鞄を逆さにした途端、止めが甘かったのか鞄の蓋が開いてしまった。
ばさばさと書類や財布やらがフローリングに散らばった。
しかしそのどれにも総司は目を向けなかった。
総司の瞳が捉えていたのは、青の包装紙で包まれたプレゼントだ。
これが入っていたから鞄が膨らんでいたのだろう。
「なんでプレゼントが鞄に・・・?」
いけない、いけないと心は言っているのだが、総司の手はプレゼントに伸びる。
包みを持ち上げた瞬間ひらりと一枚のカードが落ちた。
そこにあったのは“土方さんへ”の文字。
可愛らしい文字で書かれたもの。
胸がきゅっと締め付けられる。
これは、何。

かさりと包みを開く音がやけに耳を打った。
包みから出てきたのは黒いセーター。
あの人によく似合いそうな大きさで。
色も形もあの人が好きそうな。
そう、総司が土方のために買ったセーターと・・・今ソファーの傍にある総司の買ったセーターと、全く同じものが
青の包装紙に包まれて、土方の鞄から出てきたのだ。

「なんで・・・」
会社で貰ったのだろうか。
否、土方は誰からもプレゼントなど貰いはしない。
そう前に言っていた。
大体貰うにしても一つなわけがない。
ではこれは?
土方が貰って、たった一つ持ち帰ってきたこれは?
これは、何。
誰が、何で・・・
どうしてよりにもよってこのセーターを。

彼に似合うと思ったのだ。
だから自分が土方にあげようと、そう思っていたのに。
見知らぬ誰かが土方にそれをあげて、土方はそれを受け取って、そして持ち帰ってきたのだ。
総司は愕然としたまま玄関に座り込んだ。




「うわっ、何してんだ!?」
風呂から急いで上がってきた土方は、玄関に散乱する自分の荷物と、座り込んでいる総司にぎょっとした。
髪から雫を滴らせたままで総司の傍へ寄る。
「おい総司?お前こんなとこで何して・・・」
土方の言葉は、ばしりという音と共に、顔に受けた衝撃のせいで途切れた。
土方は総司が顔に投げてきた物を、眉を顰めて見る。
「何する・・・ん、何だこれ」
投げられたのは黒のセーター。
見れば総司の足元にはこれが包んであったらしい包装紙が落ちている。
土方はわけもわからず首を傾げた。
「何だ?これ、くれるのか?」
プレゼントを渡すにしても、そんな渡し方はないだろうと笑った土方は、顔を上げた総司を見て目を見開いた。
「お・・おい、お前・・何泣いて・・・」


「馬鹿!!」


土方の呼ぶ声も聞かず、総司は外へと飛び出した。





* * * * * * * * * * * * * * * * *



総司は足を止めなかった。
少しでも土方のマンションから離れたくて。
めちゃくちゃに駆けた。
気がつけば近くの広場。
はぁはぁと総司の吐く息が白く空に溶けていく。

時刻はすでに深夜。
もう人は大分少なくなっているが、そこに飾られた大きなツリーは変わらずきらきらと輝いていた。
それを幸せそうに見ているカップルの姿がちらほら見える。
総司はじっとツリーを見つめた。
これをテレビで見たのはほんの数時間前のこと。
土方の帰りを今か今かと待っていた。
あの時の幸せな気持ちが嘘のようだ。

じわり。
総司の視界が滲んだ。
ふるっと身体が震えたのは、その身に感じる寒さのせいか、心のせいか。

その時まるでツリーの飾りと紛う如き白が空より降り始めた。
わっと傍で歓声が起こる。
誰かが雪だと嬉しそうに叫んだ。
総司も空を見上げる。
最初は少しだった雪は、段々とその量を増やしていく。
そのちらりちらりと舞う白が、総司の頬を滑り雫となった。

「・・・・っ・・・」

悲しくて苦しくて、総司の顔がくしゃりと歪んだ。
しゃくりあげているからうまく息が吸えない。
「ひっ・・・う・・・っく・・・・」
ぼろぼろ落ちる雫が、雪よりも早く地へ落ちた。




ふわり。


突然後ろから抱きすくめられて、総司はびくりと身を震わせた。

耳元で荒い息をするその人は、コートも着ていない総司を後ろから大きな身体で包み込んだ。

「お前・・な・・・足、早ぇよ・・・」
今日は走りっぱなしだと、苦笑する彼の腕から総司は必死に逃げようとした。
けれど総司のそんな抵抗は、土方には何の意味もなさない。
逞しい腕がびくともせず、ぎゅっと総司を抱きしめる。

「何を怒ってる?」
土方にはわけがわからない。
風呂から上がれば突然総司が怒っていたのだから。
思い当たることといえば一つなのだが。
「待たせちまったもんな・・・それで怒ってんのか?」
総司はぶんぶんと首を横に振った。
そんなことじゃないと。
土方はますます困惑した。
「じゃぁ何を怒る?」
「・・・・セーターを・・・」
「セーター?」
それは先ほど投げつけられたもののことだろうか。
「僕が・・あげようと・・・・思って・・・っく・・」
「うん?」
「なのに・・青いプレゼントが・・・ぅ・・ぅえっ・・同じの・・で・・」
しゃくりあげながら総司は必死に話すのだが、土方には全くもって理解不能であった。
総司は頭はいいくせに、混乱した時は自分でもよくわからないほどにめちゃめちゃな話し方をする。
そんな時は自力で解読するか、我慢強く話を理解できるまで聞き続けるしかないのだ。
「青いプレゼント・・・って、玄関に散らばってたあれか?」
こくりと肯定の証に総司が頷く。
「・・・あれはお前が用意したものじゃないのか?」
これには総司は思いっきり首を横に振った。
土方がその勢いに驚く。
「土方さんが!ひっ・・・気に入って・・貰ったんでしょ!?」
「はぁ?」
「だって・・土方さんへって・・書いてあったも・・・」
「・・・・・」
土方は暫し黙って考え込む。
そうは言われても今日は誰にもプレゼントなど貰っていないし、あの包みにも覚えがない。
大体土方は会議が終わってから慌てて帰って来たのだ。
鞄の中身など確かめている余裕もなかった。
そういえば妙に膨れていたなと、今になって思うぐらいなのである。
「あのな・・もしそうだってんなら、それは誰かが勝手に入れたんだろうよ」
総司が軽く鼻をすする。
「俺がお前以外からプレゼントなんて貰うもんか」
間は一拍だった。
「本当?」
「当たり前だ」
ぽたりと総司を抱きしめる土方の腕に雫が落ちた。
「僕が・・あげたかった・・です・・」
「何をだ?」
「せ・・セーター・・黒の・・土方さんに似合うと・・思・・」
ぼたぼたと総司の涙が土方の腕をぬらす。
同じくして増えた雪が、二人の上にしんしんと降り注ぐ。
「お前も、あれと同じセーターを買ってくれたのか?」
こくりと総司は小さく頷いた。
「俺はお前のが欲しい」
「・・・・・」
「あれは次に仕事に行った時に、誰のか突き止めてちゃんと返す」
「・・・・・」
「お前のくれるものだけでいい。他はいらない」
「・・・っ・・・・」
「まだ怒っているか?」
「怒って・・いないっ・・!」
総司は振り返って、土方の首に抱きついた。
それを大きな腕がすっぽりと包み込む。

「ごめんなさい・・・勝手に包みを開けてしまって・・」
「構わねぇよ。どうせ貰ってやれねぇんだ」

二人の間には雪さえも入ることはなく。
首に縋りつく小さな顔を、ゆっくりと首から離して。
土方はすっかり冷たくなった頬にそっと手を添えた。

「冷たい・・・」
「土方さんの手も・・冷たい・・・」
そっと呟いて、総司の漆黒の瞳が長い睫に隠れる。


輝くイルミネーション。
舞い散る白に囲まれる恋人たち。
二人の間が近づいて、そっと唇が触れようとする。







ぐー





「・・・・・・」
「・・・・・・」






「・・・僕じゃないです」
「俺でもないぞ・・・」


あわや唇が触れようかという距離で固まった二人は、ちらりと互いの顔を見て、そしてふっと吹き出した。
「はは、そういや腹減ったな」
「減りましたー」
二人ともそういえば食事がまだだったのだ。
「帰って飯食うか」
「はい!」
にこりと微笑んだ総司の額に小さく口付けると、総司はくすぐったそうに肩を竦めた。

雪は降る。
凍えるような寒さ。
されど恋人たちは、互いに寄り添い笑みを零す。
繋いだ手は暖かい。
降り注ぐ白はまるで祝福のよう。











 遅めの豪華な夕食。
 差し出されたプレゼント。
 恥ずかしそうな笑顔。

  
  ありがとう、と笑う顔。
  窓の外の雪。
  落ちる灯り、触れるあなたの手。

 
 震える細い肩。
 触れた唇。
 吐息のように漏れ出す声。

  
  抱きしめる腕。
  見つめる瞳。
  与えられる、熱。









冷え切った身体も熱を持ち、互いに溺れて更けゆく夜。
シーツの白の中に沈んだ細い身体を、強い腕が抱きとめる。

少し汗ばんだ額にかかる髪を、優しく優しく掻き揚げる指。
紅潮する頬の主は、瞳を硬く閉じて夢の中。
微笑む男はその耳に何事か囁いて、そっと細い腕を取る。
やがて開放された細腕の指に輝くものは。

左手の薬指。
煌くものは、決して派手でなく、しかし確かな輝きを放つ。



「お前に初めて贈る物は、これと決めていたんだぞ」



傍らの椅子には、恋人が一生懸命選んでくれた黒のセーター。
きっとぼろぼろになっても着続けるであろう。

土方は総司の体をきゅっと抱きしめた。




時刻は12時をとうに回っている。
今日はクリスマス。
子供たちは、目覚めれば枕元のプレゼントに瞳を輝かすであろう。




「泣くかもしれねぇなぁ・・・・」



明日の朝の恋人の反応を思って、土方はこっそりと苦笑を浮かべた。
















  Merry Christmas!

                   ****************************************************************


フリーとのことでしたので、月華草紙の月子さん宅からいただいてきました☆
年内にいただいたのですが、掲載が遅れてしまいました…!何かもう、ご馳走様でしたって感じで◎笑
最後の土方さんのプレゼントに、むしろ私が泣きそうです!笑 土方さん、素敵すぎますv